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なぜうつ病が蔓延したのか?「セリグマン博士の回答」

なぜうつ病が蔓延したのか?

 

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https://www.freepik.com/free-photo/doctor-with-stethoscope-hands-hospital-background_1202124.htm

 

セリグマン博士」は、「ポジティブ心理学」の第一人者で、

 

今まで人間のネガティブな部分に注目して、うつ病になってしまい、絶望している人、そしてその人にどんな症状が引き起こされてしまうのかという、人間の負の側面を研究ばかりしていた心理学に風穴を開けて、

 

人間本来の持つ「ポジティブな部分」を育てる事で、うつ病を予防し、さらに、より充実した人生を送ることができるのではないか、ということを様々な知見や研究データを通して、実証していった博士であります。

 

その「セリグマン博士」が、唱えていたうつ病予防の方法が非常に的を得ていましたので、紹介です。

 

今現在の社会において、うつ病は、社会問題となる程増加していて、これほどまでにうつ病が発症してしまう原因は何なのか、という問いに対しての博士の回答は、自分自身に意識を向けすぎることだと主張しています。

 

これほどまでに社会が自由になってくると、集団生活やコミュニティーといったものが薄れてきて、より個人主義になり、自分や家族ばかりに注目し、他人への注目が削がれる事で、逆に鬱状態に近づいてしまうと博士は主張しています。

 

以下博士の主張と、うつ病の予防提言です。

 

うつ病の原因が一部には 、自分にかかわりすぎることと 、共通の認識にかかわらなすぎることにあることは先に述べたとおりだ 。この状況は 、運動不足やある種のコレステロ ールのように健康に有害だ 。

 

肉体的でなく道徳的な運動こそ 、私たちの必要としている抗うつ剤かもしれない 。次に述べる案のうちのどれか一つを自分でできないかどうか考えてみてほしい 。 

 

 

昨年の課税対象となる収入のうち五パ ーセントを寄付する 。それも慈善団体に渡すのではなく自分自身で誰に寄付するか決めるのだ 。自分が興味を持っている分野の可能性のありそうな候補に 、何々の目的でいくらいくら (例えば三〇〇〇ドル )寄付する用意があることを知らせ 、希望者に面接して 、誰に寄付するか決定する 。そしてその金が有効に使われるかどうか見届ける

 

自分の楽しみのために定期的にしていること ― ―週一度外食する 、火曜の晩レンタルビデオを見る 、秋に毎週末狩をする 、仕事から帰ったらテレビゲ ームをする 、新しい靴を買いに行く ― ―のうちどれかをあきらめる 。

 

そして一週間にそれと同じだけの時間をほかの人のため 、または地域社会のための活動 ― ―貧しい人を対象にした給食施設や教育委員会の運動にボランティアとして参加する 、エイズ患者を見舞う 、公園を清掃する 、母校のために資金を募る ― ―に使う 。

 

楽しみをあきらめたために浮いた金は貯めておいて 、この活動をさらに支援するために使う。

ホ ームレスに金をせがまれたら 、その人と話してみて 、金を有効に使いそうだと判断したら 、五ドル以上渡す 。ホ ームレスの多い地域をたびたび訪れ 、本当に困っている人に寄付する 。週にたっぷり三時間をかけてこれを行う 。

 

  • 自分の子どもに 、ほかの人のために何かを差し出すことを教える 。こづかいの四分の一を寄付するように言う 。子どもたちにお金を必要としている人やプロジェクトを自分で見つけさせる 。



これらの活動は無私無欲の精神で行う必要はなく 、社会への影響など考慮せずに自分のためになるという理由だけでしてかまわない 。

社会との接触を深めることは気持ちが落ち込むもとだと言う人もいるかもしれない 。

うつ病を避けたいのなら 、ホ ームレスに宿を世話するよりも 、アカプルコで金持ちと交わっていたほうがいいし 、週に一度エイズの末期患者を訪問するのは 、毎週うつ病にかかりに行くようなものだと言うかもしれない 。実際そういうケ ースもあるだろう 。

しかし 、人間の苦しみを目の当たりにすることは 、悲しくはあるけれど 、この本で使ってきた意味での 〝落ち込む 〟経験ではないはずだ 。



多くのベテランのボランティアが 、この仕事をしていて心が高まるのを感じて驚いたと報告している 。自分たちがどこか恐れていた貧しい人々 、病める人々も同じ人間であり 、その多くが勇気のある人々であると分かって 、感動させられるのだ 。

 

理論的には無力なはずの人々が 、しばしば非常に大きな力を持っていることを直接自分の目で見ると 、心を洗われると言う 。

 

かなりの期間このような活動を続けていると 、誰でも人生に意義を感じるようになるはずだ 。

以前のように簡単に落ち込まなくなるかもしれないし 、病気にもかかりにくくなるかもしれない 。

自分一人の楽しみにふけっているよりも 、社会のためになることをしているという満足感が得られるだろう 。いちばん大切なのは 、気ままな個人主義によって生まれた空虚さがしだいに満たされてくることだ 。選択の時代である今 、生き方を選ぶのは自分だ 。

 

 

2000年に入ってすぐに、博士が主張していたこの事実は驚嘆に値しますが、本当に理にかなっていると思います。

 

利他主義が、非常に幸福に作用するという事は、今現在の研究データではたくさん証明されています。2018年には、スーパーボランティアの尾畠春夫さんが有名になりましたが、うつ病予防にも、ボランティアは非常に効果的なのです。

 

他人に注目して、他の人の人生を見てみると、1人として例外はなく、他の人たちも苦しみもがき、自分の人生を必死に生きようとしているということがわかります。これはコモンヒューマニティーと言われていて、以前にも記事に書いたことがあります。

 

 

hiro-for-all.hatenablog.com

 

 

 

こういったコモンヒューマニティーを育むことができると、苦しんでいるのは自分だけではないということが実感でき、うつ病からは、よりかけ離れていくという事が研究でも実証されています。



自分のための目標ばかりを追い求めている人は、燃え尽き症候群や、詐欺師症候群に悩む人が多いとの研究結果も出ていて、今自分がやっている仕事や、目標も、自分ではなくて、より大きな目標を設定し、世界を良くするというように考えることで、より生産的になれるという研究結果もあります。



利他主義が、健康に良く、うつ病を遠ざける事は、今の研究結果からも、紛れもない事実であります。博士の提言が、的を得た形ではないでしょうか。

 

私も、コンビニで小銭を寄付したり、Yahoo!基金に、お金を投資したりなど、少額ですが、コツコツやってます。

 

最近調子悪いという人は、自分が個人主義に走りすぎていなかったか、確認してみてはいかがでしょうか?

そして、「セリグマン博士」の書籍もとてもオススメです。知らなかったという人は、是非!!