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「心的外傷後ストレス成長(PTG)」を経験した人の5つの特徴が激しくためになった件

「心的外傷後ストレス成長(PTG)」を経験した人の5つの特徴とは?

 

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心的外傷後ストレス成長(PTG)を経験する人の5つの特徴が面白かったので、ご紹介です。


大きなストレスを受けると心的外傷後ストレス障害(PTSD)と同様に、ある一定の条件が揃えば、心的外傷後ストレス成長(PTG)を経験する事がわかっています。


心的外傷後ストレス成長(PTG)とは、文字通り、大きなストレスをきっかけにして、自分自身の成長や辛いことへの向き合い方が変化し、充実感や希望などを経験することで、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と全く逆の経験をしています。


同じ大きなストレスを経験するのであれば、心的外傷後ストレス成長(PTG)を経験する方が良いに決まっていますので、現在この心的外傷後ストレス成長(PTG)の研究が盛んに行われています。


今回は心的外傷後ストレス成長(PTG)を経験する人の5つの特徴を紹介いたします。

 

PTGを経験する人の5つの特徴

 

このように、PTGという概念は、苦しみを正当化するために用いられないよう、また他の人の感情を傷つけないよう、細心の注意を払って扱われるべきです。
それを確かめた上で、いよいよ、PTGとは具体的にどんなものなのか、PTGを経験する人の5つの特徴を考えてみましょう。
これから述べることはあくまで「傾向」であり、5つすべてに当てはまらないならPTGではない、というわけではないことにご注意ください。

 

1.中核的信念が粉砕される

PTGは、苦しい経験を通して、単に少し見方が変わった、というようなものでではありません。ちょっとした病気や、人間関係の行き違い、上司や先生からの叱責など、日常的なストレスで引き起こされるわけではありません。
PTGは、英語ではtransformative change、すなわち、人生観が根本から変わるような変化だと説明されています。比喩的な表現を用いるならば、新しい自分に生まれ変わるような変化です。
元に戻るという選択肢はなく、新しいものを積み上げていく以外他にどうしようもない中で経験されるような根本的な変化をさします。(p68)
PTGに至るきっかけは、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に至るきっかけと同じです。


自分にとって衝撃的な出来事、たとえば戦争、災害、犯罪、重い病気、愛する人の死、いじめ、虐待、不登校など、心をズタズタに傷つけ、破壊されるようなできごとが始まりです。
そうした出来事は、自分がそれまで抱いてきた「中核的信念」や「基本的価値観」をみじんに砕きます。


PTGとは、「新しい自分に生まれ変わるような変化」だとされていました。それは、つまり、まず衝撃的な出来事というハンマーで元の自分が粉々に打ち砕かれ、もはや修復さえもかなわず、新しく作りなおす以外に方法がなかった、ということを意味しています。


自分の一部だけ砕かれ、その部分だけ新しい石膏を固めて、取り急ぎ修復したような変化はPTGではありません。PTGとは「もう元には戻れない」という悲壮な逆境で、苦悩と涙のうちに新しい自分を彫り出すことなのです。


調査によると、辛い衝撃的な体験なしではPTGは生じないということがわかっています。普通の生活でPTSDが生じないのと同じです。平穏な日常を送っている人は、自分を作りなおすような変化は経験しません。(p117)


PTGのtransformative changeはイモムシがチョウになるのと似ています。イモムシはさなぎになると、一時的に無活動になりますが、その中では、今までの体がずべてドロドロに溶かされて、新しい体へと組み替えられているのです。


2.苦悩と向き合う

PTGを経験する人は、逆境のもとで、悲しい現実から目を背けず、苦悩と向き合います。
苦悩に対処する方法は人それぞれであり、中には現実逃避することで、苦痛を和らげる人もいます。そうすることが必要な時期も、もちろんあるでしょう。
しかし東日本大震災のときの調査では、震災のことが現実でないように考えたり、そもそも考えないようにしたりしていた人は、PTGをあまり経験していませんでした。(p166)


すでに述べたように、現実逃避は、一見ポジティブに見えますが、PTGではありません。
問題からあえて目を背けることで、悲惨な事件は自分とは関係なかったのだ、と自分を説得し、過去に対し自分なりに幕を降ろしたとしたら、PTGからは遠ざかります。(p78)

 

3.中程度のPTSDを経験する

心的外傷後成長(PTG)と心的外傷後ストレス障害(PTSD)は一見すると、正反対の概念のように思えます。かたや心的外傷によって成長し、かたやフラッシュバックや過覚醒など重い後遺症に悩まされるからです。
しかしPTGとPTSDは正反対どころか、同じものの別の側面、表裏一体の関係をなしていることが少なくありません。
研究によると、ほとんどの場合、PTSDなしでPTGが生じることはありません。PTSDをほとんど経験しない人にPTGが起こることはまれです。しかし、逆に極度のPTSDを経験している人がPTGを経験することも少ないそうです。


PTGとPTSDの関係を表すグラフは、逆U字型になり、最もPTGを経験する人は、中程度のPTSDを経験している人だとされています。(p58)


つまり、PTSDが生じるような衝撃的な体験をしながらも、その症状をある程度抑え、コントロールできている状態の人がPTGを経験しやすいと考えられます。


4.侵入的思考から意図的思考へ

PTSDを抱えながら、それをコントロールしていく、というのは、「侵入的思考」と「意図的思考」のバランスという観点から解釈できます。


トラウマ経験によってPTSDが生じ、絶えず衝撃的な体験が頭にフラッシュバックし、望んでもいないのにそのことを考え続けてしまう状態は「侵入的思考」(侵入的反芻)と呼ばれています。トラウマ記憶を自分でコントロールできない状態です。
しかし侵入的思考に向き合い、それを整理しようとするうち、やがてトラウマ経験を自分から進んで解釈するようになるかもしれません。これは自分でコントロールしていく「意図的思考」(建設的反芻)です。(p84)


考えるつもりがないのに考えてしまう苦痛に満ちた段階から、あえて考え、自分から向き合うことへと変化する、これがPTSD症状をコントロールし、PTGへ至る人の歩む過程だといえます。


こり「侵入的思考」と「意図的思考」はどちらも、統計によると女性に多いことがわかっています。そのため諸外国の統計では、PTGは女性のほうが経験しやすいというデータが出ているそうです。(p161)
とはいえ、日本の研究では、それとは違う可能性も示唆されていて、性差についてはまだよくわかっていません。
侵入的思考から意図的思考へと切り替え、トラウマに対して自分の意思で向き合っていくことは、トラウマの様々な治療法の重要な特徴でもあります。

5.経験を共有する

PTSDの「侵入的思考」に悩まされている人が、「意図的思考」を培い、PTGへと成長していく過程には、他の人と経験を共有する過程が大きな意味を持っているといいます。


自分の話をだれかに語り、親身になって聞いてもらうことが、自分の心を整理し、客観的に考える助けになることがあります。


ここでポイントとなるのは、一方的に自分ばかりが話し続けるような場では、かえってPTGから遠ざかることもある、という点です。


他の人との関わりからPTGへ至った経験に最も多いのは、自分が辛い経験を吐露でき、相手もそれに応じて自分の経験を語ってくれた、という「話し手」「聞き手」の役割がなくなった場合だといいます。(p114)


自分のことばかり一方的に話し続け、相手の反応に耳を傾ける余裕もないやりとりだと、自分の苦しみに注意が向きすぎて、侵入的思考に一層とらわれてしまうかもしれません。
しかし経験を共有できる双方向のコミュニケーションのもとでは、自分もまた慰め手になることにより、別の観点から「意図的思考」を働かせることができるようになります。
そのようなわけで、昔から、難病の患者会や、悲惨な災害や戦争の当事者会、遺族会といった場は、時代を超えて大切にされてきたのでしょう。

 

 

いかがでしたでしょうか、今現在研究が盛んに行われている心的外傷後ストレス成長(PTG)に当てはまる5つの特徴がこんなにも詳細にわかっていると知って、とても希望を持ちました。


4番の侵入的思考から意図的思考の部分は、このブログでも紹介しているベネフィットファインディングであり、5番の経験の共有は、医師の燃え尽き症候群を防止するプログラムとしてよく行われている手法であったりします。

 


いずれにしても、この5つの方法を試せば、心的外傷後ストレス障害から、心的外傷後ストレス成長を引き起こしやすくなると思いますので、今大きなストレスに悩んでいると言う方は是非、お見知りおきを。